2022年9月30日、大阪と京都に展開していたスーパーマーケット「ツジトミ」が謎の全店閉店。
この店は商品購入の際、店独自の電子マネーで支払うというシステムにしておきながら、ある日突然閉店し、返ってこない電子マネーで利用客を大混乱に陥れました。
そこで今回はこの問題のスーパー「ツジトミ」はなぜ突然閉店することになったのか、チャージした電子マネーはどうやって返金されるのか調査することにしました。
過去こんなに利用客を混乱させたスーパーがあったでしょうか。
Contents
スーパー「ツジトミ」とは
問題となっているスーパー「ツジトミ」とはどのようなスーパーなのか
ツジトミの歴史
スーパーツジトミとは京都(京田辺、淀)、大阪(茨木、交野)で4店舗経営していたスーパーマーケットで開業は1982年。
本店は京都府八幡市八幡高坊(2019年に閉店)で京都の名所石清水八幡宮のすぐ近く。
「日常の幸せにちょっと加える商品を」をテーマに京阪沿線の駅前や集合団地を狙って店舗を拡大していきました。
関東でいうと神奈川県の相鉄線沿線を中心に53店舗展開する「相鉄ローゼン」みたいなものですね。
ちなみに本店付近を調べてみたら同じ番地に「辻富治」さんという方がおり、名前からして代表者の方かと思ったらその通りでした↓
問題となっている店独自の電子マネーシステムですが、実は最近導入されたもので2021年8月からで京田辺市の店舗ができたのと同時に運用されました。
これが悲劇を招く原因となるとは…。
店の評判自体はそこまで悪くなく”普通のスーパー”という感じでしたが、2022年9月30日に惜しむ間もなく40年の歴史に幕を閉じました。
何のために「ツジトミプリカ」が作られた?
この「ツジトミプリカ」は一体何のために作られたのでしょうか。
調べてみるとこのツジトミプリカを作った理由は以下の通りです。↓↓↓
①レジ処理スピードを向上させ、レジ店員の業務負担を軽減させる。
②レジ処理スピードが向上するので、客のレジ待ちストレスを軽減させる。
利便性の向上という目的で株式会社アララ(東京都港区)というキャッシュレスサービス専門の会社から提供されて2021年8月10日から運用に至ったようです。
私はてっきり「店がつぶれたら返金できなくなる」ということを見越して敢えてそのやり方に変えたのかと勘ぐってしまいましたが、あくまで業務改善とお客様のことを思ってカードを作ったのですね。
この電子マネーの種類は「1ハウス電子マネー」という代物でこれがいわゆる”店独自の電子マネー”と言われる所以です。企業単位で作られたプリペイドカードのことを指します。
カード概要はこんな感じ↓↓
お客様の中には被害額40000円という方がいましたが、この0.5%のポイント付与を狙ってMaxまでチャージしたお客様がいたということなんですね。
社長は誰なのか
スーパー「ツジトミ」の社長は誰なのか調べたところ、株式会社アララのホームページから代表取締役は辻浩一氏と判明しました。
Facebook、ツイッター等調べてみましたが、顔写真等データは存在はしていませんでした。
スーパー「ツジトミ」が突然閉店した理由
今回大混乱を招いているスーパーツジトミですが、なぜ突然閉店したのか。
ツジトミ代理人の共栄法律事務所によれば下記の理由で閉店を余儀なくされたようです。
「債権者各位に対し、多額の債務を負担しており、事業の継続が不可能な状態となり、本日をもって事業を廃止することになりました」
出典:都市商研ニュース
要約すると「今までお金借りてお店を切り盛りしてきたが、業績悪化でお金を返し切れなくなり閉店した」ということになります。
思えばキャッシュレスサービスを提供した株式会社アララのホームページで気になる文言を見つけました。↓↓↓
上の画像の最後の方「資金繰りがラクに」という文言です。
これは聞こえが良いですが、裏を返せば「それに頼らざるを得ないほど経営状態が悪化している」ととらえることができるのではないでしょうか。
2021年のプリペイドカード導入前からすでに経営状態がよろしくなく、オンライン販売、京田辺市への出店ふくめコストだけかかり、功を奏さなかったようです。
戻ってこない?電子マネーの回収方法は
結論、電子マネーの返金は可能ではあるが、全額返ってくる可能性は低そうです。
テレビ番組『行列のできる法律相談所』(日テレ)でおなじみ菊地弁護士の話では、債権届出を出すことが最も大事という話なので、まずは閉店した店舗に出向きQRコードを読み取り、そこから申請するか、スマホが何らかの理由で使えない場合は↓のような債権届出書に必要事項を記入し、地方裁判所に提出する流れになります。
書き方はわからないので、弁護士に相談しながら書いたほうが良さそうですね。様式は地方裁判所によって違うようなので、もし書類を入手するならそこも弁護士に相談しましょう。
また、満額返ってこない理由としては、この債権届出を出す方法は破産した会社が債権額(今まで借りていたお金の額)の比率に応じてお金を返していく方法なので、「まず100%返ってくることはない」という返済方法です。
全ての債権者に100%返せるようならそもそも倒産しないですものね。
他にも巨額の債権を持つ出資者や従業員への給料を優先的に支払うことが予想されるので、利用者がプリペイドカードにたとえ満額4万円を入れていたとしても、比率的に返ってくるのはかなり少ない金額ということになりそうです。
何のお知らせもなくいきなり閉店して、プリペイドカードに入れてたお金返せませんなんて、訴えたくなりますよね。
このようなことが起こることを予想できなかったのかわかりませんが、店側は数か月以上早めに利用者にお知らせしておくべきことでした。
スーパー「ツジトミ」突然の閉店理由と回収方法についてのまとめ
スーパー「ツジトミ」突然の閉店理由と回収方法についてのまとめ ・スーパーツジトミは辻富治氏が1982年に開業したスーパーマーケット。京阪沿線を中心に店舗拡大し、京都大阪で2店舗ずつ経営していた。 ・スーパーツジトミは2022年9月30日に突然閉店したが、その理由は債権者への借金が返し切れなくなったため。 ・根本的な原因は京田辺市への店舗設置、オンラインストア、プリペイドカード導入などコストだけかかり、予想以上にリターンが少なかったことだと思われる。 ・スーパーツジトミのプリペイドカード利用者への返金は店頭QRコードもしくは書類から債権届を出すことで返金される予定だが、100%返ってくる可能性は極めて低い。
それにしても突然すぎて利用客にとってはまさしく青天の霹靂、寝耳に水。
ツジトミプリカについての返金方法をしっかりと伝える責務があったはずです。
また、今まで利用していたスーパーを使えなくさせ、利用者の生活基盤にダメージを与えたという点でも無責任と言わざるを得ません。
このニュースから得られる教訓としては、普段利用しているスーパーがプリペイドカードを導入し始めたら経営状況に注視するというところでしょうか。
”立つ鳥後を濁した”ツジトミでした。