NHK『母と子のテレビタイム』のキャラクターである”ニャンちゅう”の声優を30年間勤めていた津久井教生さんが18日所属事務所の公式サイトにて、同じく声優の羽多野渉さんにバトンタッチすることが明らかになりました。
ある意味「NHK教育テレビの顔」とも言えるニャンちゅうですが、
・今回声優交代を決めた理由は何なのか
・津久井さんと羽多野さんの関係性
・ニャンちゅうとはどんなキャラクターなのか、どんな名場面があったのか
が気になったので調べてみました。
あのニャンちゅうの”だみ声”がもう聞けなくなってしまうのでしょうか。
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ニャンちゅうのプロフィール
生年月日:1987年
(1992年当時の設定が5歳で、実際には現在35歳のオッサンネコになるはずだが、あくまで設定が5歳なので、92年以降は成長が止まる。)
ニャンちゅうとは1992年から始まったNHK教育テレビ(現在のEテレ)の夕方放送枠「母と子のテレビタイム土曜版」に登場するキャラクターのことです。
私は今までニャンちゅうはネズミと猫のハーフだと信じて疑いませんでしたが、猫だったんですね…。
「ネズミの着ぐるみをしているのはネズミの気持ちを理解したいから」という相手の立場になって考えることができる心優しい猫なのです。
ドラえもんに聞かせてあげたいですね。
初代お姉さん(白石まるみ)の家に住み着いており、1992年4月11日に発見され、以降色々なお姉さんの家に住み着き番組の進行をお手伝いしています。
女性としか仕事しない女好きな
ニャンちゅう。
また、なんとも言えないあのダミ声が印象的で、顔つきはドラ猫っぽくワイルドな感じを表現しつつも、ネズミの赤ちゃん用着ぐるみを着るというかわいさにギャップがあって、愛されキャラクターに仕上がっています。
声優・津久井教生さんとは
そんな女好きでだみ声が印象的なニャンちゅうの声優を30年間務め上げた津久井さんとは、一体どんな人物なのでしょうか。
津久井教生さんのプロフィール
生年月日:1961年3月27日
出身地:東京都新宿
所属事務所:81プロダクション
職業:声優
津久井さんは経歴を見る限りではオールマイティな声優さんという印象が強いです。
ニャンちゅうの声優以外にも「笑うせぇるすまん」「アンパンマン」「ちびまるこちゃん」など色々なアニメのチョイ役を演じており、また、アニメだけでなく、映画、ドラマ、ゲームなどジャンルの垣根を越えて色々なところに顔を出せるオールマイティな演者なのです。
数ある役の中で長年勤めることになるニャンちゅう役を射止めたきっかけは、オーディション現場にアメリカ人がいたことから、思いつきでアメリカのラジオDJをイメージしながらしゃべったことでした。
これが審査員に大ウケ。
見事ニャンちゅうの中の人となったのです。
2019年からはALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症し、現在も闘病中です。
声優・羽多野渉さんとは
羽多野渉さんはみなさんご存じ?スマホアプリ「アイドリッシュセブン」の人気グループTRIGERの八乙女楽様のお声を担当してくださっています。
他にも「ダイヤのA」、「FAIRY TAIL」など有名アニメのキャラクターも担当していました。
ダンディでイケボな印象の羽多野さんがニャンちゅうをやるのは正直想像がつかないのですが、あの特徴的なダミ声を再現できるのかどうか、ちょっと心配だったりします。
ドラえもんの声優が大山のぶ代さんから水田わさびさんに変わったときのように、寂しく感じたり、ショックを受ける人が出てくるような気がするのです。
ニャンちゅう声優交代の理由は
ニャンちゅうの声を津久井さん以外の人が務めるということは想像がつきませんでしたが、今回なぜ交代に至ったのでしょうか。
心配な津久井さんの状態
ニャンちゅう声優交代の理由の一つに津久井さんのご病気が関係しているものと思われます。
津久井さんは前述のとおりALSと闘病中であるため、病気の進行具合によっては声を出すことも大変な状況になるからです。
ニャンちゅうとしてしっかりと務めを果たすには「交代してアドバイザーとして携わるのがベスト」と考えたのではないでしょうか。
津久井さんと羽多野さんの関係性
もう一つは津久井さんと羽多野さんの関係性です。
津久井さんと羽多野さんは同じ81プロダクションの先輩後輩。
その関係性を示す動画がありました↓↓↓
動画の通り羽多野さんは津久井さんのことを「師匠」と呼んでおり、羽多野さんが81プロダクションの養成所の生徒だったときに津久井さんが講師で、授業の一環でニャンちゅうを披露してくれたことを説明してくれています。
そして弟子は見事に師匠のニャンちゅうを再現しており、このクオリティに師匠も安心して羽多野さんにニャンちゅうを託したのではないでしょうか。
羽多野さんなりのオリジナリティを加えてもすぐに溶け込みそうな声でしたね。🐈🐀
ニャンちゅう伝説「これはヒドイ」
ニャンちゅうと言えば”伝説”の一つにあるネットスラングを生んだことで知られています。
それが「これはヒドイ」です。
ネット上でたまに使われているのを見かける「これはヒドイ」ですが、意味は「あまりにもひどすぎて逆に笑ってしまう」というものです。
4代目お姉さん笹峯愛さん(1999年4月11日~2002年3月30日)のときに生まれた言葉でその伝説的シーンは今でも語り継がれています。
下の動画はニコニコ動画が元ネタで画質は荒いですが、伝説が生み出されるまでの経緯がわかります。↓↓↓
たしかに”これはヒドイ”(笑)ひどすぎます。ニャンちゅうがそう言いたくなるのもうなずけるくらいのお粗末な展開に思わず笑ってしまいました。
ニャンちゅうで涙が出るくらい笑ったのは初めてです。
それにしてもニャンちゅうに実況やツッコミの才があったとは…下手なお笑い芸人より面白いかもしれません。
津久井さんの色々なキャラクターを演じてきた表現力が活きた形となりましたね。
この動画でお姉さんが卵を盛大にこぼしたときにニャンちゅうが言い放った「これはヒドイ」はニャンちゅうがあまりのひどさにキャラ設定を思わず忘れて素に戻った瞬間を表しています。
これが今日もネット上で使われる「これはヒドイwww」の始まりです。
ニャンちゅう声優交代のまとめ
ニャンちゅう声優交代のまとめ ・11月18日81プロダクションの公式ホームページにてニャンちゅうの声優を津久井教生さんから羽多野渉さんに交代することを発表した。 ・ニャンちゅうは1992年からNHK教育テレビ(現Eテレ)で放送されている「母と子のテレビタイム」シリーズに出てくるキャラクター。 ・津久井さんが演じるニャンちゅうは何とも言えない”だみ声”とどら猫のような顔にネズミの赤ちゃん着ぐるみというギャップで世間に浸透していた。 ・今回津久井さんが30年務めていたニャンちゅうの交代を決断した理由は自身の病気と託せる弟子の存在があるためだと考えられる。 ・ニャンちゅうの発言で今もネット上で使われる言葉「これはヒドイ」の源流となった「卵かけごはん事件」の動画は、ニャンちゅうの言う通りこれはヒドイという内容だった。
いずれ羽多野さんの演じるニャンちゅうが”当たり前”となり、ニャンちゅう=羽多野さんの図式ができあがるのかもしれませんが、津久井さんという30年間立派にニャンちゅうを務め上げた声優さんを「これはヒドイ」というスラングと共にいつまでも忘れないでいたいですね。