11月17日毎日新聞のニュースでハンターの税逃れのニュースが取り上げられていました。
大阪国税局によれば2020年12月までの5年間で32人のハンターが総額1億7000万円も脱税したことが判明したのです。
ほとんどが「知らなかった」「非課税だと思っていた」ということで故意にやったものではないと釈明しており、反省する一方で「命がけでやっている」「持ち出しが増えれば担い手がいなくなる」と不満をあらわにしていました。
そこで今回はハンターは実際年間でいくら稼げるのか、その年収と害獣一頭あたりいくらの賞金がついていて、トップ5は何の動物なのか気になったので、調べてみることにしました。
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ハンターの年収はいくらくらい?
ハンターの年収は全国平均で240万円、月収20万円です。
(参考年収.jp)
安すぎません!?
認定鳥獣捕獲等事業者として登録すれば300万円~350万円の年収を得ることもできそうですが、貯金したり、老後の人生設計をしていくのには苦労しそうな職種です。
自治体の予算との兼ね合いや、狩っても狩らなくても毎月一定の報酬を支払っているものとは思いますが、命がけの環境下で行政からの任務をこなすのですから、狩猟報酬を上乗せして年収アップを図るか、せめて狩猟報奨金を非課税にしないと担い手が減っていく一方なのではないでしょうか。
ハンター一本で食べていくことも可能なようですが、年収の低さは承知しておかないとやっていけない職業のようです。
ハンターにはどうやってなれるの?
ハンターというと銃で動物を狙撃して狩るイメージが強いですが、ハンターには4種類あり〔わな猟・網猟・第一種銃猟・第二種銃猟〕があります。また、それぞれ国家資格の免許が必要です。
私たちがイメージしているハンターは第一種銃猟(装薬銃、空気銃)にあたり、猟友会で講習を受けてから、試験を受けて合格すれば狩猟免許取得。
試験自体は合格率80%以上ということで難しくはなさそうですが、ちょっと手続きが多い印象。
合格後、狩猟する都道府県で狩猟税を支払い、ハンター保険に加入するか、猟友会で登録して保険加入すれば、晴れてハンターデビューできるようです。(参考:てとてと「猟師になる!」)
手続きの面倒さえ目をつむればだれでも簡単にハンターになれるということですね。
マタギの子孫である必要も、ゴルゴ13のような狙撃の名手じゃないといけないわけでもないのです。
害獣駆除賞金ランキング5~1位
ここからはハンターが日々狩猟している害獣で賞金が貰える額が多い動物は何かランキング形式で紹介したいと思います。
自治体から依頼された害獣については「捕獲報奨金」という形でハンターに支払われていますので、その報奨金が比較的多いとされる動物5位から1位までご紹介。
同じ種類でも自治体によって報酬にばらつきがあるため、今回は一番多い報奨金を出してくれる自治体を基準に決めました。
番外はアライグマ
番外のアライグマ(鳥取県)は10,000円です。
アライグマは「あらいぐまラスカル」の影響なのかカナダやアメリカからペットとして輸入されましたが、無責任な飼い主が捨てたり、逃走したアライグマが野生化し、2005年に特定外来生物に指定されました。
果樹園の果物や養鶏場、養魚場が被害に遭っており、また、家屋への侵入、生態系への被害など多岐に渡って害を及ぼすものとして、報奨金が懸けられています。
人間の都合で連れてこられて必死に生きているだけなのに賞金首という哀れなアライグマなのですが、鳥取県ではどの県よりも高い1頭1万円の報奨金となっています。
逃げろ!ラスカル!
第5位
3位はシカ(岡山県)で23,000円です。
シカは特に農作物への被害が大きく、全国の至る所で被害が確認されています。その被害額は年間で53億円(令和元年)。とてつもない額ですね。
その被害が大きい自治体の一つ岡山県の西粟倉村(にしあわくらそん)では村、県、国からの助成金すべて含めればシカ一頭につき23,000円の報奨金を出してくれます。
また、シカの場合はジビエ料理の食材となるので、肉の買取もあれば最高で27,000円にまで上がるそうです。(参考:HADATOMOHIRO)
シカはこの他にもなめし革や小物の革に使われたり、頭骨はインテリアに使われたりと有効利用できるところが多いので、せっかく命をいただくのですから、狩ったら無駄なく有効利用したいですね。
第4位
4位はサル(静岡市)で30,000円です。
こちらは全国で年間9億円の被害を出している害獣に認定され、攻撃性もあるため、駆除対象になっています。
サルの場合は食べるところはないので、加算額はありませんが、1頭あたりの単価は高く静岡市では30,000円の報奨金が出ます。
↑サルは狩ったあと静岡市では焼くらしいです🔥😱
体の大きいほど額が大きいわけではないのですね。捕獲のしにくさでしょうか。
第3位
第3位はイノシシ(浜松市)の34,000円です。
こちらもシカ同様農作物に深刻な被害をもたらし、年間で46億円(令和元年)の被害を出している動物ですが、静岡県浜松市ではイノシシの駆除で国と市の報奨金を合わせれば最高で34,000円(適正処理されていることが条件)の報奨金を手にすることができます。
イノシシ大量に捕獲してシシ肉ゲットだぜ!!
第2位
第2位はクマ(紋別市)で50,000円です。
最近では乳牛ばかりを狙う北海道標茶町のOSO18が話題となっていますが、北海道紋別市ではクマ1頭あたり50,000円の報奨金が出ます。
農作物だけでなく人を襲うおそれのある動物なので、狩りも命がけだと思いますが、それに対して50,000円というのは安すぎるような気もします。
ちなみに話題の乳牛キラーOSO18には懸賞金はついていないのだそう。
👑第1位👑
第1位はニホンカモシカ(静岡市)の100,000円です。
国の特別天然記念物に指定されている動物にも関わらず、害獣として捕獲対象にもなっているありがたみがあるのか、ないのかよくわからない動物です。
発見のしにくさなのか、静岡県静岡市では10万円の報奨金が出ます。
カモシカが10万円でクマが5万円…。自治体のお金の有る無しによって多少ちがうのかもしれませんが、値段設定にいまいちピンとこないものがあります。
被害額の大きさや危険度が高いほど報奨金を増やした方が猟師側もモチベーションが向上したり、担い手が増え、ひいては狩猟実績が良くなり、農作物被害の減少に寄与するのではないでしょうか。