今回注目したいのは韓国大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル 以下ユン氏)氏について。
「経験不足」「資質に問題がある」として支持率急落中のユン氏ですが、国際会合で米国を侮辱したともとれる発言をしたことで韓国メディアが大きく反応しています。
支持率急落に拍車をかける事態を自らの口で招いてしまったようです。
そこで今回は
①ユン氏が発言したとされる米国侮辱発言の動画はあるのか。
②ユン氏の支持率急落の理由
③支持率急落が止まらないユン氏だが、なぜそもそも大統領になれたのか。
が気になったので調べてみることにしました。
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①ユン氏が発言したとされる米国侮辱発言の動画
ユン氏が発言したとされるアメリカへの侮辱ともとれる発言の動画がTBSのニュースサイトにて放送されていました。↓
「この野郎ども」、韓国では「こいつら」と言う発言はアメリカ人議員のことを指しているとして、大統領の資質に疑問を投げかける人が続出しました。
このように政治家の本音が漏れるシーンを捉えることは度々起こりますが、政治的な話ではなく汚い言葉が漏れてしまったのは、大統領としてあるべき姿から離れてしまったように思いますね。
さらに支持率が急落するのは火を見るよりも明らかです。
②ユン氏の支持率急落の理由
ユン氏の支持率が急落した理由としては主に
①「警察局の設置」
②「テレグラムメッセージの流出」
という人事や政策に関連するものです。
他にも妻のキム・ゴンヒさんの問題や検察時代の縁故での登用など人事的な問題もありますが、支持率急落の一番の原因は上記二つのようです。
①の警察局の設置については、元々直接捜査の権限があった検察からその権限を警察に移行し、警察の捜査範囲を拡大させる目的で文在寅前大統領が推し進めた政策を無力化させるというものでした。
実態としては政権が警察を管理するというもので「警察の捜査力を奪い、最悪政府の意のままに操ることもできてしまう」と思った国民が反発しているんですね。
②については国会内で権性東(クォン・ソンドン)国民の力(ユン氏の政党)代表代行のスマホ画面に
「党内に銃を向けた党代表(李 俊錫 イ・ジュンソク)が交代し、変わった」
というメッセージが国会記者団のカメラマンに撮影され、それが国民に暴露されたたため、ユン氏は批判にさらされました。
このイ・ジュンソク氏は国民の力の前代表であり、既得権益層を打破した人として若年層の人気を集めていた人です。
この人気者を性接待のスキャンダルを利用して党代表から引きずり下ろしたように見えたのでしょうか。
警察局とテレグラムメッセージの2つの問題でユン氏は就任わずか3か月で支持率20%代に推移しています。
これは歴代最速の到達だそうです。
(参考:NewsWeek)
③支持率急落が止まらないユン氏が大統領になれた理由は
支持率急落が止まらないユン氏ですが、そもそもなぜ大統領になれたのでしょうか。
ユン氏が大統領になれた理由は上層部の権力に屈さず、検察総長として権力者の汚職を糾弾してきた”正義の人”と思われていたからです。
有名なのは文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が行った脱北者強制送還事件※を強く非難したことです。
※脱北者強制送還事件とは 北朝鮮の漁師2名が同僚16名を殺害。脱北して韓国への入国を試みたが、文在寅大統領が北朝鮮に強制送還し、国際法違反として批判された事件。 漁師2名は送還後処刑された。 (参考:Wikipedia)
時の権力者、韓国のトップにもひるまない姿勢は国民から支持されました。
その正義の人がいざ権力の座に座るやいなや、妻である金建希(キム・ゴンヒ)さんを巡るスキャンダルや検察時代の縁故を大事にした人事などで批判を浴び、正義の人とはほど遠いと思われていったようです。
また、「政治経験がほとんどない」ということも国民が「やはり任せるべきではなかった」という気持ちに変わり、支持率急落の要因になったようにも思います。
(参考:MAG2NEWS)
米国侮辱発言の尹錫悦氏が韓国大統領になれた理由まとめ
米国侮辱発言の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が韓国大統領になれた理由まとめ ・ユン氏の米国に対する侮辱発言はアメリカ主催の国際会合で発言されたもので、アメリカ人議員に対して使われたものと思われる。 ・ユン氏は警察局の設立、テレグラムメッセージ流出問題の2つで支持率が急落している。 ・ユン氏が大統領になれた理由は検察時代の”正義の人”のイメージが強く、権力にも屈さない姿勢が支持されて大統領に選出された。また、既存の政治体制を打破できる人という期待感もあった。
米国侮辱発言で問題となっているユン氏ですが、日本にとっては日韓関係の改善を提唱していた”良い大統領”なので、個人的にはもう少しうまく立ち回って日本との融和政策を進めてほしいと思っています。
警察局の設置も「ムン・ジェイン前大統領が検察による直接捜査で自身が捜査されないように、検察の力を弱体化させた」という経緯がありますし、テレグラムメッセージ流出の問題もイ・ジュンソク氏が本当に性接待を受けていたなら、党代表を下りてほしいと思うのは当然でしょう。
ただ、身内でも容赦なく断ち切るという姿勢が見られない限り、また、アメリカ議員に対する発言についての説明がない限り、この先もユン政権が舵取りしていくのは困難となりそうです。