7月2日に発生したKDDI系列の通信障害はほぼ全国的に回復したようですが、いまだに圏外や通信障害があるユーザーもいるようです。今回は発生から62時間という過去最長の通信障害でしたが、
①過去の通信障害ではどんな補償内容だったのか?
②今回の通信障害の補償金額はいくらあるのか?それともないのか?
気になったので、調べてみました。
一緒に確認していきましょう。
KDDIの通信障害についての記事はコチラ
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過去の通信障害ではどんな補償内容だったのか?
今回かなり大規模だったKDDIの通信障害でしたが、過去にはどんな補償があったのか調べてみることにしました。
まず補償の有無の判断基準は”24時間”
携帯電話会社各社の契約約款では「24時間まったく利用できない状態が続いたことを携帯電話会社が認知すれば契約者の損害を補償する」とあります。
24時間というのがキーワードなんですね。
ちなみに通信障害によって証券取引で大損したと言って賠償請求してもそれは通らないようです。
その理由をネット問題に詳しい岩間弁護士はこう述べています。↓↓↓
ネット事業者の責任はネットを利用できるようにすることなので、つながらない場合は利用者に料金を返金します。しかしネット証券での損失など二次的な損害は、法律上は「拡大損害」という別の扱いになります。民法はこうした「特別の損害」について、「当事者がその事情を予見」できなければ賠償を請求できないと規定しています。
出典:東京新聞web https://www.tokyo-np.co.jp/article/6075
要はKDDIが「一顧客の証券取引まで把握していないから補償なんてできないよ」ってことで民法的に無理ってことなんですね。たしかにここまで面倒見てたら会社が立ち行かなくなっちゃいますね。
ソフトバンクの通信障害では
2018年12月6日に起こったソフトバンクの通信障害では3060万人の契約者に影響が出ました。更新ソフトウェアの不具合によるものでしたが、補償はなし。
理由は通信障害で利用できなくなった時間帯が4時間半なので、24時間超えていないため。
ドコモの通信障害では
2021年10月14日に発生したNTTドコモの通信障害では約29時間にわたって延べ830万人に影響を与えました。この件では29時間超えということで約款にある24時間超えですから、「補償じゃん」と思うところですが、結果は「補償なし」
理由はドコモの見解では「全く利用できない時間帯」が2時間20分だったとして24時間を超えていないため。
「ご利用しづらい状況」は24時間を超えていましたが、まったく利用できなかったわけではないということで補償がないんですね。
うーん、なんかモヤモヤしますね。
たしかに約款には「24時間まったく利用できない時間帯」と書かれていますが、迷惑をかけたことには変わりないので、例えば障害があった月の通信料を影響のあった人だけ割引するとかサービスがあっても良いのではないでしょうか。
機器トラブルで対応に多少時間がかかったり、作業中での人的ミスがあることもわかりますが、これでは「責任をとらない姿勢」が見えて顧客離れに発展しそうですね。
ソフトバンクは解約申し入れで割引あった
先ほどソフトバンクの事例で補償はなかったと紹介しましたが、ある利用者の話によると補償とは別に解約申し入れで割引があったようです。
経済誌「ビジネスジャーナル」の山野記者によれば自身のソフトバンク携帯解約を申し出た際、月5000円で1年間の通信料割引を付けるという破格な割引の申し出があったようです。
月5000円ということは1年間で6万円ですからそれは思いとどまっちゃいますよね。
この通信障害の件ではすぐに1~2万件の解約があったので、ソフトバンクが事態を重く受け止めて解約引き留めに全力だったのでしょうけど、これはあくまで解約申し出をしたユーザーのみ適用だったので、ある意味「言ったもん勝ち」の不公平な対応にも思えますね。
しかも他のおうち割やら月々割など他の割引サービスと併用可というとんでも割引だったようで、合計して毎月8480円の割引だったそう。
割引額の方が多いからお金が毎月振り込まれるのかというとそうではなく、余剰分は無効となりユニバーサルサービス料という名目で毎月2円はかかるそうです。
今格安スマホが話題になっていますが、格安びっくりの破格の電話料金ですね。
1年だけでもありがたい。
今回の通信障害の補償金額はいくらなのか?それともないのか?
今回のKDDI系列の通信障害は過去国内の通信障害で最長記録の62時間でしたが、どういった補償が為されるのでしょうか?
KDDIは過去の通信障害で返金している
今回もドコモと同じように「まったく繋がらない状態ではなかった」という理由で補償無しの対応を取るのかと思ったら、KDDIは過去にあった通信障害で「返金」の対応を取っていることがわかりました。
2013年4月27日から5月30日にかけて関東近郊で発生した通信障害は最大約64万人に影響を与えましたが。この件では通信障害の時間帯が補償の基準となる24時間を満たしませんでしたが、それでも700円の減額を行っています。
規模が今回のように少なかったから補償できたのかはわかりませんが、全く無いよりは好印象ですね。数ある携帯電話会社でこのように全体的に補償したのはKDDIだけです。
ということは今回はより大規模な通信障害だったので補償もすごいものになりそうですね。
この補償についてKDDIの高橋社長は「補償額については検討中」とのことで何かしらの補償はする方針のようです。
ただ、今回3000万人以上に影響を与えた大規模なものですから、例えばソフトバンクのように一人5000円割引なんてしたら1500億円以上で莫大ですけど、年間5兆円規模の売上高を誇るKDDIであれば、その補償も可能なのでしょうか。
それでも補償の規模が規模なので数百円くらいなのでしょうけど(笑)。
KDDI通信障害補償の金額や過去の内容まとめ
KDDI通信障害補償の金額や過去の内容まとめ ・過去に通信障害で補償を行った通信会社はKDDIのみ。ソフトバンクやドコモでは契約約款に記載されている「全く使えなかった時間が24時間」を超えていなかったため、補償は一切なかった。 ・ソフトバンクでは通信障害が原因で解約する顧客を慰留するため、解約申し出を行った者にだけ割引措置を執った。 ・今回のKDDIにおける大規模な通信障害に対してKDDI高橋社長は補償を検討しているようだが、3900万人に影響が出ているため、過去の例を見る限り補償額は少額である可能性が高い。
結構ネット上での論調を見るとKDDIを批判する方をちらほら見かけますが、今回は人為的なミスではないので、むしろ10年近く故障もなく通信設備を保ってくれてありがとうという気持ちもあります。
高橋社長の記者会見も堂々としていて素晴らしいものがありましたし、トップがしっかりしているだけで信頼感がすごいアップしますね。
KDDI系列は海の沖でも地下でも結構電波が良くて使いやすいので、今後もありがたく利用させていただきます。