今回注目したいのは三重県津市の家電量販店で万引きをはたらいた会社員の男について。
なんと10年以上、被害総額1億円の万引きをしていたという男の裁判が津地裁で行われ、執行猶予付きの有罪判決が下されました。
そこで今回は
①事件の概要
②執行猶予付きの有罪判決だが、被害を与えた家電量販店への弁償はないのか?
③相当な被害額だが、実名や顔写真は公開されるのか?
気になったので調べてみることにしました。
Contents
①事件の概要
事件は遡ること10年以上前から。
18府県に渡って家電量販店内で万引きを繰り返していた会社員の男は三重県津市の出身。
なんと19年前にも万引きで執行猶予付きの有罪判決を受けていました。
有罪判決後に家電メーカーの下請け会社に就職したものの長くは続かず、退職後は万引き生活を送っていました。
10年以上万引きを繰り返しても捕まらなかったのもすごいですが、家族を養うために万引きで生計を立てていたというのも驚くべき実態です。
また、万引き犯の特徴としては生活に困窮して繰り返すパターンがほとんどだと思うのですが、この男はそれに当てはまらず裕福でした。
主に盗んだものはワイヤレスイヤホンや美顔器ということで小さくて盗みやすく、高級なものばかりを狙っていたのもかなり計画的ですね。
「効率よく盗んで売る」というルートが出来上がっていたのも長く万引き生活を送れた秘訣なのかもしれません。
累計の被害額はなんと1億円以上。
日本の万引き犯で史上最も物を盗んだ男
と言えるのではないでしょうか。
ある捜査員の言葉を借りると「万引きというより億引き」です。
②被害を与えた家電量販店への弁償はないのか?
今回8月31日津地裁において懲役2年2か月、執行猶予5年の判決を言い渡された男ですが、被害を与えたすべての家電量販店への弁償の必要はあります。
ただし、処罰を求めているパターンや会社の方針によって弁償を拒否されるケースもあるため、弁償したくてもできないことがあるようです。
また、10年以上前から万引きを行っていたということで窃盗罪の時効が7年ということから、7年以上前の犯行については不起訴処分となります。
結論、執行猶予付きとはいえ有罪判決を受けた男は全額弁償できない状況になっているといえます。
(参考:泉法律事務所、刑事事件弁護士ナビ)
なんだかモヤモヤする結果ですが、一方で三重県警が名古屋国税局に約7000万円の課税通報をしたので、この男には7000万円の課税徴収が行われることが予想されます。
当たり前ですけど、どんな形であれ償わなくてはいけないのですね。
③実名や顔写真の公開は?
犯人だった男は三重県内在住の無職・山口貴司。
年齢は53歳ということがわかっています。
顔写真の公表についてはありませんでした。
顔写真が公開されると名誉棄損罪に抵触する可能性があったり、社会復帰に支障が出る可能性があるので、今回のような窃盗罪では顔写真の公表はないようです。
(参考:読売オンライン LIFE)
津市万引き男性「被害総額1億円」弁償と実名のまとめ
津市万引き男性「被害総額1億円」弁償と実名のまとめ ・津市で逮捕された万引き男は10年以上にわたって18府県で総額1億円分の窃盗を行った万引き犯だった。 ・弁償については時効もしくは店舗側が刑事罰を受けさせるために弁償を拒否している可能性があるため、すべてを弁償できない状態にある。 ・一方で三重県警から名古屋国税局に約7000万円の課税通報があり、男はそれを支払う可能性がある。 ・男の名は山口貴司と公表されているが、写真については公表されていない。
今回の件で一番ダメージを受けているのは男でも、店でもなく共に暮らしていた家族なのではないでしょうか。
「家計を支えつつ裕福な暮らしをするために万引きをする」というおかしなベクトルになってしまったがために、結果的に社会的信用を失い、家族が肩身の狭い思いをすることになりました。
1回目の執行猶予後に今回の犯罪を引き起こした男ですが、今度こそ改心し
「盗んで解決しよう」
という短絡的な発想にならないよう執行猶予中に自分の行いを顧みてほしいですね。