外食産業だけでなくアミューズメント施設でもイタズラが表面化するようになりました。
2月1日群馬県高崎市のカラオケチェーン店『まねきねこ』で、マイク除菌用スプレーを使って火をつけた悪質な迷惑動画がSNS上でアップされ、波紋が広がっています。
スシローペロペロ事件からわずか3日後の悲しい出来事に「安心して行ける場所が少なくなった」「馬鹿な日本人が増えた」など、このニュースを嘆く人が続出しています。
そこで今回はカラオケ店まねきねこの迷惑動画でどんなスプレーが使用されたのか、当事者たちの特定や刑事罰、過去にはスプレー缶が原因でどんな事故が起こったのか調べてみることにしました。
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一歩間違えれば放火?カラオケまねきねこでのリアル炎上させた人物の特定は?
まずはこちらをご覧ください。👇
これは2月2日にアップされた元の迷惑動画を引用したツイートですが、撮影者が「やったれやったれ」と煽り、当事者がマイク用除菌用スプレーを噴霧させながらライターで火をつけて2名の男性に炎を吹き付けています。
炎を吹きかけられた男性たちは慌てて逃げまどい、最終的には撮影者にも炎を吹き付けて驚かせています。
この撮影者は「しょうた」、当事者は「ゆうしん」という人物で、まねきねこ側は利用者登録の際、身分証明書関係の書類から特定はできているようです。
スシローペロペロ事件で何も学ばなかったのでしょう。
悪気があってやったわけではないとしても、利用客をケガさせたり店の設備に損害を与える行為になりかねない危険な行為でした。
他にもこの「しょうた」という人物はインスタ上で素行の悪い画像や動画をアップしており、下半身裸の男性をマクドナルドの駐車場(群馬18号安中店)で撮影したり、ホームレスに対する嫌がらせ動画(高崎駅)もアップしているようです。
ここまで来ると店や駅にとっては何も非がなく、防ぎようのない迷惑行為です。
マクドナルドの一件に至ってはもはや露出狂ですし、これらを面白いと思って何の躊躇もなく投稿できる人は精神に異常を来しているのではないかと心配になります。
使用していたスプレーは何か?
今回当事者が迷惑動画に使用していたスプレーは動画を見る限りでは緑色のスプレー缶を使用しており、それに近しいスプレーを探したところ下の商品が該当しました。
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アスクルのスーパーマイクシャワーというマイク用除菌スプレーでどこのカラオケ店でも置かれている一般的な商品になるようです。
カラオケマイクの消毒には欠かせないアイテムなのですが、今回のように悪用する人がいるのであればスプレータイプではなく、マイクヘッドはアルコールティッシュで拭いて使用する方が良いように思います。
除菌スプレーで火炎放射。どのような刑罰か
今回ネット上では放火未遂や暴行罪に該当するのではないかというコメントがありますが、実際はどのような刑罰が該当しそうなのでしょうか。
放火未遂や暴行罪には該当する?しない?
まず放火未遂というのは刑法第112条の「現住建造物等放火罪」に該当するのか否かというところですが、成立要件を調べたところ「故意に建物に火をつけたのか」というところがポイントになるようです。
(参考:ベリーベスト法律事務所『現住建造物等放火罪とは? 放火未遂でも逮捕され罪に問われるのか?』)
今回の場合、動画内では建物の設備ではなく人に向かって火を放っており”わざと”建物を燃やそうとしたわけではないので、放火未遂には該当しないように思えます。
ちなみに人に向かって火を放ったものの、結果的に物を燃やして火災を起こしてしまった場合は刑法第116条の失火罪になるようです。
暴行罪については人に火を放つ行為が該当するようで、これでもし相手がやけどなどケガをした場合は傷害罪となりもっと罪が重くなるところでした。
量刑は?
それぞれの罪をどれくらい科せられる可能性があったのか下記にまとめてみました。
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失火罪:50万円以下の罰金
(人を死亡させた場合、重過失失火・重過失致死傷罪となった事例アリ)
暴行罪:懲役2年以下もしくは30万円以下の罰金
傷害罪:15年以下の懲役または50万円以下の罰金
(暴行の末、相手にケガを負わせてしまった場合)
器物損壊罪:3年以下の懲役または30万円以下の罰金
(カラオケ店の備品を破損させたら成立)
偽計業務妨害罪:3年以下の懲役または30万円以下の罰金
(店舗内の通路で騒ぎを起こして業務を妨害したと認められた場合に追加)
当事者たちは迷惑行為は周りの人だけでなく、自分たちの人生をも変えてしまう危険な行為だということを十分に認識してほしいですね。
過去には爆発事故もまねきねこ火遊び迷惑動画まとめ
・2月1日SNS上で投稿されたカラオケまねきねこでの迷惑動画は人に向かって火を放ったり、物に燃え移る危険がある迷惑動画だった。
・Twitter上で当事者たちのインスタグラムのアカウントは特定できていたようだが、実名までは判明していない。
・当事者たちが使用していたスプレーはその特徴から「アスクルのスーパーマイクシャワー」と考えられる
・当事者たちは今回の動画以外にも迷惑画像や動画を投稿していた。
・今回の動画は傷害罪や失火罪、器物損壊、偽計業務妨害で訴えられるおそれまであった。
過去には除菌スプレーで爆発事故も起こっていました。
2018年札幌市豊平区で起こったアパマンショップの店舗での爆発事故は、部屋に除菌スプレーを充満させた状態で湯沸かし器をつけたことで爆発しました。
今回は使用したスプレーは、少量だったものの誰でも触れられる状態であり、店舗内は狭い空間が多数あることから、爆発を起こせる条件は整っていたように思います。
当事者たちは「大したことはないちょっとしたイタズラ」だと思っているかもしれませんが、そのような迷惑行為が思わぬところに派生していくものだということをスシローペロペロ事件をはじめ、今回の一連の騒動から学んでほしいですね。
迷惑動画を投稿しようとする人やした人に言いたいのは「短絡的な行為で安易に称賛を浴びようとしたり、目立つために周りの人に迷惑をかけるな」というところです。
学業やスポーツ、社会奉仕、芸術等目立つ方法は他にもあります。
人が感動するような、関心するような方法で称賛や注目を浴びようとするのは健全ですが、SNSで簡単に発信できるからと言ってあまりにも安直に、思慮もなく動画を投稿する人が多すぎるように思います。