昨日安倍元首相が凶弾に倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまった事件で犯人の山上徹也容疑者の供述では「特定の宗教団体と関係のある安倍元首相を狙った」とあります。
そこで今回は安倍元首相と関係のある特定の宗教団体とは一体どこなのか気になったので調べてみました。
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犯人の山上徹也「政治信条的な犯行ではない」
取り調べを受けている犯人の山上徹也容疑者が言うには今回の安倍元首相への襲撃について「政治信条の恨みによる犯行ではない」と供述する一方で、「特定の宗教団体に恨みがあり、関係のある安倍元首相を狙った」と供述しています。
安倍元首相と関係のある団体が森友学園くらいしか思い浮かばないのですが、はっきりいってとばっちりなのではないか?と思ってしまうような供述。
安倍元首相と言えば自民党ですが、自民党と関係のある宗教団体は存在しているのでしょうか?
自民党と関係のある宗教団体とは?
自民党と直接関係性のある宗教団体はわかりませんでした。ただし、間接的には繋がっている宗教団体が存在しています。
それが創価学会です。
創価学会とは?
創価学会とは法華経の信者で組織される宗教団体で1930年に設立されています。
「創価」という名称は下記のような想いで名付けられたそうです。
「創価」とは、生命の尊厳に基づく人類の幸福と世界平和の実現を中心とした価値の創造を意味する
出典:Wikipedia https://ja.wikipedia.org
元々、日蓮の仏法精神に感銘を受けた教師の牧口常三郎さんと戸田城聖さんによって作られた組織で世直しのための団体に見えますね。
上記の目的はとても素晴らしいものです。実現したらこの世から戦争なくなりますよね。
政教分離と反しているのでは?
公明党は元々創価学会3代目会長池田大作さんが公明政治連盟を創設し、日本の政党の政治要件※を満たしていることから日本で唯一の宗教政党となったのです。
※日本の政党の政治要件
出典:Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki
「政治団体のうち、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙で全国を通して2%以上の得票(選挙区・比例代表区いずれか)を得たもの」 を政党と定めている。
憲法20条と89条で規定されている政教分離と相反する物がなぜできあがったのか。不思議ですよね。
公明党は党の公式サイトで下記のようにその質問に答えています。
創価学会の仏法の理念に基づき、「個人の幸福と社会の繁栄が一致する、大衆福祉の実現」「人間性の尊重を基調とした民主主義をつくり、大衆とともに前進する大衆政党の建設」を目指してきました。
ただし、創価学会と公明党との関係は、あくまでも支持団体と支持を受ける政党という関係であり、「あらゆる階層のいっさいの民衆を包含しうる大衆政党」であると綱領にも明記している通り、公明党は国民全体に奉仕する国民政党です。
出典:公明党オフィシャルサイト https://www.komei.or.jp/faq/
解釈というか言い回しを変えただけのような気もしますが、大衆福祉の実現という点で創価学会=公明党は今も足並みを揃えている状況なんですね。
理念的には創価学会創設時の理念からぶれていないように思えます。
自民党とどう関係がある?
自民党と直接関係はありませんが、公明党を介して間接的に関係はあるようです。
1999年小渕恵三元首相の時代に連立政権となりました。1990年代初めに創価学会に対して大批判を繰り出した自民党でしたが、多くの票田を抱える公明党は魅力的だったのでしょう。
一説には公明党の弱点※を突いて連立に持ち込んだという噂もありますが、定かではありません。
政治評論家の佐高信さんは下記のように公明党の弱点について解説しています。↓
公明党の弱点※
創価学会が当時「本山」と呼んでいた日蓮正宗・大石寺が、静岡県富士宮市にあります。
その富士宮市を中心とする暴力団に、山口組きっての武闘派と言われた後藤組がありました。
後藤組は、本山の墓石、墓苑の土地問題におけるいざこざを収めるボディーガードの役割を果たしていたのです。
しかし、後藤組と本山、そして創価学会の間が近すぎたために問題が起こります。
それを収めるために、公明党の都議会議員を異例に長く務めた藤井富雄と、後藤組組長の後藤忠政が密会した現場を映したビデオテープがあるというのです。
これを嗅ぎつけたのは、自民党の亀井静香だといわれています。
そして、亀井、野中の間で密会ビデオの存在が明らかになってから、公明党は一も二もなく自民党の軍門に下ったというわけです。
出典:著者・佐高信が語る『自民党と創価学会』https://10mtv.jp/pc/content/detail.php?movie_id=1338
ここ20数年ほど自公連立で政権を握ってきた自民党ですから、創価学会員が票田となる公明党と組むことによって政権を維持しやすいというメリットがあります。
なんせ創価学会は会員数2000万人以上とも言われているマンモス団体ですからね。
安倍元首相と創価学会の直接のつながり説
自民党と創価学会が間接的につながりがあることはわかりました。
次に安倍元首相が直接創価学会とつながりがあったのではという説です。
安倍元首相と創価学会のルーツは岸信介元首相の時代まで遡ります。
安倍元首相の父親の安倍晋太郎さんの妻である岸洋子さんは岸信介元首相の娘にあたります。
その岸信介さんは創価学会二代目会長の戸田城聖さんと懇意にしており、創価学会のある儀式に岸さんの代わりに出席したのが安倍晋太郎さんと岸洋子さんです。
(参考:『自民党と創価学会』佐高信・著)
そこからすでに安倍家と創価学会はつながりがあったということになります。
山上容疑者が特定の宗教団体に持った恨みとは?
山上容疑者がなぜその宗教団体に恨みを持ったのか。
その理由は山上容疑者の母が統一教会に多額の寄付をしていたからです。
統一教会と安倍元首相のつながりとしては安倍元首相が統一教会の集会に向けてビデオメッセージを送っていたというのがありますが、そこから「母親を狂わせた=安倍元首相」という風に山上容疑者が考えたのでしょう。
とても短絡的ですね。
ただ、それしか思い浮かばなかったくらい追い詰められていたのかもしれません。
総合すると
「安倍家と繋がりが強い宗教団体は創価学会のほうだが、山上容疑者が恨みを持っているのは統一教会の方で、安倍元首相=統一教会の図式が山上容疑者の中でできあがって犯行に至った」
という感じでしょうか。
安倍元首相と関係のある特定の宗教団体についてのまとめ
安倍元首相と関係のある特定の宗教団体についてのまとめ ・今回の安倍元首相を襲撃した理由は山上容疑者の供述によると「安倍元首相が特定の宗教団体と関係しているから」だとしている。 ・安倍元首相が関係している宗教団体とは創価学会と統一教会である。 ・創価学会、統一教会ともに親戚である岸元首相の代から繋がりがあった。 ・山上容疑者が犯行に至ったのは自身の母親が統一教会に多額の寄付をしたため、母を狂わせた統一教会と関係している安倍元首相に逆恨みしたからだと考えられている。
今回は安倍首相がどの宗教と繋がっているかに焦点を当てましたが、どの宗教と繋がっているかというより、「その先に何を為すか」の方が重要です。
今回に関していえば創価学会と統一教会。後者の方が「為していることが悪かった」ように思います。
統一教会の信者の方を否定するつもりは全くありませんが、もし霊感商法や寄付金などお金絡みの問題が本当にあったのならば、それは宗教の在り方として正しくはありません。
その関連で恨みを持っているのは山上容疑者だけではないでしょう。
ただ、どんな恨みを持ったとしても安倍元首相に銃口を向けるのは決して正しくない行為ですし、首相以外のどんな相手に対してもそれは同じことで、暴力では何も解決しません。
暴力以外の解決法が思い浮かばないくらい思い詰めていたのかもしれませんが、弁護士に相談したり何かしら方法があったのではないかと思ってしまいます。
復讐で目の前が真っ赤になって冷静な判断ができなかったのか、思考停止していたのか、ベクトルを正しい方向に向けてくれる友人が周りにいなかったことが悔やまれる事件です。
私たちとしては政党が信者たちに票を頼らなくても良いようにちゃんと投票をして選挙に参加するべきなのでしょう。