世界的ファッションデザイナーの森英恵(はなえ)さんが今月11日老衰により息を引き取りました。
森英恵さんと言えばタレントであり、モデルの森泉さんの祖母で知られていますが、
①森英恵さんとはどういった人物なのか
②森英恵さんは若い頃どんなお姿だったのか
③森英恵さんは今までどんなデザインを手掛けてきたのか
が気になったので調べてみることにしました。
森英恵さんのご冥福をお祈り申し上げます。
Contents
①森英恵さんのプロフィール
生年月日:1926年1月8日
出身地:島根県鹿足郡六日市町(現・古賀町)
森英恵さんと言えばモデルの森泉さんの祖母として知られていますが、その他にも日本人デザイナーの海外進出の先駆けとなった人、蝶のモチーフを使用していた「マダムバタフライ」として知られています。
顧客には日本人だけでなく、グレース・ケリーさんやソフィアローレンさんなど海外の有名人もいたというから驚きです。
そんな森英恵さんはなぜ服飾の道に進んだのか。
その理由は戦争にありました。
森さんの学生時代は第二次世界大戦の真っただ中で、着る服と言えば”もんぺ”。
好きな服を着れる状況でも着るものを選べる状況でもありませんでした。
「戦争が終わったら好きな服を着れるようになりたい」と思った森さんは夫である森賢さんの力を借りて服飾の専門学校ドレスメーカー学院に入学し、デザインや縫製を学びます。
在学中に「自分が着るために」から「人に着せて喜んでもらいたい」に気持ちが変わっていったようで、1951年には洋裁店「ひよしや」を新宿東口にオープンさせます。
そこが森さんの原点となり、世界のモリはそこから始まったのですね。
②森英恵さんは若い頃どんなお姿だったのか
今ですと大御所という雰囲気が前に出ている森さんですが、若い頃はどんなお姿だったのか。振り返ってみたいと思います。
↑凛とした顔つきのきれいな方ですね。顔がかっこいいけど着ている毛糸の服は可愛いくてギャップがあります。
35歳。映画の衣装を手掛けていた頃のバリバリの森さんです。
1930年代の写真でしょうか。森英恵さんは写真の花柄ワンピースを着ている女の子3人のうち、真ん中の人になります。
ワンピースを着せたり、お庭で写真を撮影していることを考えると比較的裕福な家庭で生まれ育ったように見えます。
そのワンピースはお母様が仕立てたものではなく、お父様が大手デパートの高島屋や三越から取り寄せていたとのことです。(参考:森 英恵 ─主婦がはじめた洋装店)
幼少期からオシャレな服に慣れ親しんでいたということがうかがえます。
デザイナーとしての素養はここから育まれたのかもしれませんね。
③森英恵さんが手掛けてきたデザイン3選
アジア人初のフランスオートクチュール協会会員であり、「マダムバタフライ」として世界的に有名な森英恵さんですが、過去にどんな服のデザインを手掛けてきたのでしょうか。
特に印象に残った3つをご紹介します。
①美空ひばりさんの不死鳥コンサートの衣装
この画像は美空ひばりさんが亡くなる1年前の最後のコンサート「伝説の不死鳥コンサート」です。
誰もが知っているこのデザインを森英恵さんが手掛けていました。
この衣装は当時ひばりさんが体調不良だったため、コンサート中負担がかからないように軽い素材を選択してデザインしたとのこと。(参考:読売新聞編集委員室)
伝説の中に森さんの心遣いがあったんですね。
②雅子妃のローブデコルテ
1993年の雅子妃結婚の儀のときのドレスをデザインしていました。
この生地は皇后美智子さまのローブデコルテにも使用されたという「明暉瑞鳥錦(めいきずいちょうにしき)」を使い、上着の襟元にバラのような大きな花びらをあしらったものになっています。
とても荘厳で華やかな礼服ですが、それに負けていない雅子さまも凄いですね。
③JALの客室乗務員の制服
なんとJALの客室乗務員の制服も森さんが手掛けていました。
当時としては流行していたミニスカートを採用したことで話題を呼び、スチュワーデスの印象を変えた制服でした。
紺色の制服に赤のスカーフが良く映えてますね。
ちなみに1967年から1988年までの21年間JALの客室乗務員の制服をコーディネートしていました。
これはJAL史上最長記録です。
森英恵さん死去。若い頃や手掛けたデザイン3選まとめ
森英恵さん死去。若い頃や手掛けたデザイン3選まとめ ・森英恵さんは2022年8月11日に老衰で亡くなった。96歳だった。 ・森英恵さんはフランス・オートクチュール協会でアジア人初の協会員を務めたり、ニューヨークコレクションで注目を集めたりと、日本デザイナーの海外進出の礎を築いた方である。 ・森英恵さんの若い頃は凛々しくかっこいい女性だった。 ・森英恵さんの手掛けた服は映画の衣装から大手企業の制服、大歌手の衣装、皇室の礼服まで幅広く手掛けていた。
日本のファッションデザイナー界に大きな影響を与えた人物がまた一人旅立ちました。
森英恵さん長い間お疲れさまでした。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。