またも悲しい迷惑行為が…。
2月3日岡山県岡山市にある池田動物園は公式ツイッターでクモザル舎に動物園のパンフレットとおもちゃが投げ込まれていたことを報告。
パンフレットはバラバラにちぎられており、檻の中のクモザルが破いたものとみられています。
動物園側はこれに対して「誤飲のおそれがある」として今後このようなことをしないよう注意を呼びかけました。
そこで今回はこのパンフレットの投げ込みをした犯人は判明しているのか、この行為によって動物が死亡した場合どのような罰則があるのか、過去に誤飲で動物が死亡した例はあったのか調べてみることにしました。
Contents
池田動物園のクモザル舎でパンフやおもちゃの投げ込み
まずはこちらをご覧ください👇
ゴミ箱にちゃんと捨てることができないのでしょうか。
岡山市池田動物園は2月3日ツイッターでジェフロイクモザル舎に動物園のパンフレットとゴリラのおもちゃの投げ込みがあったことについて投稿しました。
これには多くのネチズンが反応し、この行為について悲しみの声が広がっています。
たしかにパンフレットは持て余すことはありますが、それならそれでなぜゴミ箱に捨てないのか理解に苦しみますね。
パンフレットは細かくちぎれており、ジェフロイクモザルたちが投げ込まれたパンフレットを嚙みちぎったもしくは手で破いたと推測されていますが、もし誤飲して喉をつまらせたら大変なことになっていたかもしれません。
もし生まれたばかりの好奇心旺盛な子供がいたら誤飲のリスクはより高くなっていたことでしょう。
池田動物園の場所はこちら👇
クモザル舎の場所はこちら👇
クモザル舎にパンフレットを投げ込んだ犯人は特定できているのか?
この悪質な迷惑行為を行った人物はまだ特定できておりません。
ニュースのコメント欄では「子供がやったのではないか」という憶測もありますが、もしそうであれば親がすぐに園内のスタッフに報告するべきですし、今後このようなことがないように展示舎一つ一つに監視カメラを付けるしかなくなってきてしまいます。
その設備費も迷惑行為を行った人物から徴収できればいいのですが、昨今騒がれている外食産業での迷惑行為対策の設備費用と同じように園に負担を強いられるのではと思うと腹立たしいですね。
パンフレット投げ込みによる罰則はあるのか
過去に動物の展示室に物を投げ込んで犯人が逮捕されたり、罰則を受けた事例を見つけることはできませんでしたが、もし、その物が原因で動物が傷ついたり死んでしまった場合は愛護動物の虐待にあたり、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金刑が科せられるようです。
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動物愛護法の厳罰化
出典:京都新聞 『動物愛護法の厳罰化って?改正で懲役・罰金重く ペット以外の生き物も対象』
動物愛護法は、犬や猫などの愛護動物を殺傷した場合、「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」と定めている。2020年施行の改正動物愛護法で、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から大幅な厳罰化となった。
近年になって動物の命を軽んじる人が増えてきたもしくはSNSの発達で動物虐待の様子を目の当たりにする機会が増えたからでしょうか。この厳罰化は大正解だと思います。
ただ、それでも「動物をイジメたら重い刑罰がある」という認識がまだまだ低いと思うので、言葉は悪いですが今回のようなケースに便乗して啓もう活動をしていく必要があるように思います。
私たちとしては動物をイジメている人を見かけたら勇気を出して注意できるようにしていきたいですね。
声をかけあって動物虐待を少しでも無くしていきましょう。
過去には異物の飲み込みで死亡例も
動物園で起こったわけではありませんが、過去にはビニールゴミを飲み込んで死亡したウミガメやシカ公園でビニール袋を誤って食べてしまったシカが死亡してしまった事例があります。
また、世界遺産に認定されている北海道の知床では生活ごみのポイ捨てによってそれを食べたキツネが病気になり死亡してしまうケースもあるようです。
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近年では本州でも疥癬病のキツネやタヌキ、アナグマが確認されているという報告もあり、広がりが懸念されています。この原因の一つが、ゴミや不用意な餌やりで人間の食べ物を食べてしまうこと。油分や塩分、糖分などの多い食べ物を食べることで下痢になり、抵抗力が落ちてしまうのです。
出典:神戸新聞NEXT『「どうかお願いです」世界遺産の知床「ゴミのポイ捨て」に悲痛な声 誤飲し病気に、死を待つしかないキツネも』
今回の展示室への投げ込みもこのゴミのポイ捨てもそうですが、共通しているのは後のことを考えていないということです。
「これをしたらどうなる?」ということを想像できない人ほどこのような愚行を行うように思います。
私たちは許可されていないエサやりもそうですが、無責任な行いによって動物の命を失わせてしまうことがないようにしたいですね。
動物園の展示室への物投げ込み今に始まったことではなく…
今回問題視されている展示室内への物の投げ込みですが、これは今に始まったことではなく、悲しいことですが20年以上前から問題となっていたようです。
私の地元にある日本平動物園のコラム『でっきぶらし』1997年3月116号では、展示室へのゴミの投げ込みなど観客のマナーについて当時の飼育員の方が執筆している記事がありました。
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ソフトな悪戯(許可されていないエサやり)以外に、ハードな、悪意がこもっているとしか思えないことをする人たちが存在します。
出典:日本平動物園『でっきぶらし』1997年3月116号 長谷川裕著
よくあるのが、投石。石を動物たちに投げつける行為で、ほとんどの場合、小は小指を爪くらい、大はクルミ大の石を投げるのですが、動機はまあだいたい同じでしょう。
動かないで寝ている動物、自分の声や拍手やその他のリアクションに反応しない動物、その反対によく動き回っていたり、よく反応する動物。そうした相手に過剰にちょっかいを出したくなってしまう・・・。多くはそんなところだと思います。
(投石は)自分勝手な性格の人の短絡的な行動で、絶対にやめてもらいたい事ですが、実はこんなのは序の口で、中には石は石でも拳大の石を投げたり、吐き出したガム、更にひどい奴(あえて奴と呼びますが)は釘や火のついたままの煙草を投げ込んだり、わざわざ空気銃を隠し持って来て動物を撃つ阿呆までいて、開いた口がふさがりません。
出典:日本平動物園『でっきぶらし』1997年3月116号 長谷川裕著
その他には、雨上がりに差していた傘をたたんで、尖った先をオリ等に突っ込んで動物を刺そうとする連中までおり、しかもそれを笑いながらやっている事すらあるのです。
私も小さい頃この動物園には何度も足を運んでいましたが、思い出いっぱいのこの動物園でこのようなことが行われていたことにショックを受けました。
静岡人は温厚な人が多く、ましてや「動物園に来る人は動物好きの優しい人たちが集まる場所」などと思っていましたが、全くそんなことは関係なく、このような輩は昔からどこにでも存在し、飼育員の方が動物を守るため注意監視していたという事実を思い知らされました。
ただ、同コラムには輩に対して注意する若者についても記述があり、「動物園は人間の”地”が出る場所」という内容で締めくくっています。
変な”地”が出る人には動物園に二度と来て欲しくありませんね。
クモザル舎へのパンフレット投げ込み犯人、罰則などのまとめ
・2月3日岡山市の池田動物園でクモザル舎にパンフレットとおもちゃが投げ込まれていたことをツイッターで報告。波紋を広げている。
・投げ込んだ犯人は特定されていない。
・動物園の展示室に物を投げ込み、それが原因で傷ついたり死亡した場合は動物愛護法第44条違反となり、懲役5年以下または罰金500万円以下を科されるおそれがある。
・過去にはゴミの誤飲で動物が死んでしまったケースは多々あり、今回のケースも最悪の事態を引き起こすおそれがあった許されない行為である。
このような迷惑行為を行う人は動物園に入園する資格のない人です。
この行為に及んだ覚えのある人や動物にひどいことをしてきたと自覚がある人は猛省し、命の尊さを一から学びなおしてほしいですね。