今回注目したい事件は大阪・富田林市で2歳女児がベビーサークルの中で置き去りにされ死亡した事件です。
11時間も放置し、USJに出かけていたという完全に育児放棄していた内容ですが
①発見時水をかけたというが効果はあるのか
②吐血していたというが熱中症で吐血することがあるのか
③そもそもなぜ祖母に子供を預けていたのか
気になったので調べてみました。
Contents
事件の概要
亡くなった2歳児小野優陽(ゆうは)ちゃんの祖母小野真由美容疑者と内縁の夫桃田貴徳容疑者(50)は、6月29日午前5時頃~午後4時頃までの11時間優陽ちゃんを置き去りにして死亡させたとして逮捕されました。
場所はこのあたり↓↓↓
優陽ちゃんが閉じ込められていた柵は高さ88㎝、奥行き91㎝、横幅124㎝。
ベビーベッドとして使われていましたが、寝台部分が取り外されてベビーサークルとして使われていました。
女児の身長的に自分で出ることができない構造でした。
2人はエアコンを28度に設定して扇風機もつけていましたが、なぜか窓を開けてUSJに出かけたようです。
窓が開いていたことで冷房が利かない状態だったため、優陽ちゃんは水分を失い、脱水症状を起こして熱中症で死亡しました。
このニュースを聞いてUSJに出かけて11時間も放置するのも信じられませんが、子供を預かる立場として無責任に思えるのと同時に、もっとやり方があったのではないかと考えてしまう事件です。
実際は二日間の放置、USJ付近のホテルに2泊もしていたそうです。
「発見時水をかけた」効果はあるのか?
発見時に水をかけたという発言をしていますが、水をかけることによってどのような効果があるのでしょうか?
熱中症に陥ったときの処置は?
熱中症は体内の熱が高温状態で逃げていかない症状ということで、下記のように応急処置をするようです。↓↓↓
意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、水分補給をさせます。
経口補水液、スポーツ飲料か、薄い食塩水などを飲ませます。
胸や腹の体の表面に水をかけて、うちわや扇風機などで扇ぐことにより体を冷やします。
出典:日本赤十字社 https://www.jrc.or.jp
ということは女児発見時意識を失っている状態だったので、水分補給はできないと判断して水をかけていたんですね。
応急処置としては正しく行っていたのではないでしょうか。
ただ、発見があまりにも遅かったのでしょう。
熱中症で吐血することがあるのか?
発見時吐血していたといいますが、熱中症と吐血が結びつきません。
熱中症で吐血することがあるのでしょうか?
熱中症の症状に吐血があった。
過去にもアメリカンフットボールの練習中に男性が熱射病で倒れ下記のような症状で亡くなっています。↓↓↓
17歳男性が35℃の炎天下でアメリカンフットボールの練習後に態度不良の理由でプロテクター,ヘルメット等完全装備の上,駆け足を命じられた。(中略)グラウンドを数周後に崩れるように倒れた。
(中略)20時間後から急速な肺機能の低下を来たすとともに烈しい下血,吐血,肺出血をきたし,26時間で死亡した.
出典:体力科学 第64巻 第 1 号 5-7(2015)https://www.jstage.jst.go.jp
同じ資料によると熱中症によって胃腸障害に陥ることもあるようで、その際胃の粘膜保護ができなくなり、内壁が傷つき吐血することがあるようです。
熱中症は体内温度が43度以上になると臓器不全になるようなので、女児も高温となって臓器不全に陥り、胃腸障害で吐血したことが考えられます。
祖母に預けていた理由は?
そもそも子供を放置気味だった祖母になぜ預けていたのでしょうか?
その理由については現在明らかになっていないので、わかり次第お伝えします。
共働き等で面倒を見ることができず、祖母に頼まざるを得ない状況だったのかもしれませんね。元々一時的に預けていたというよりは一緒に住んでいたようですから、何か事情がありそうです。
実際は祖母の三男が三男の妻(19歳)に暴力をふるうため、保護する目的で優陽ちゃんを引き取っていたようです。
ある意味子供が虐待されるリスクを見越しての行動だったんですね。
2歳女児置き去り死についてのまとめ
2歳女児置き去り死についてのまとめ ・今回の2歳女児置き去り死亡事件はベビーサークル内で女児を11時間二日間高温下で放置し、死亡させた傷ましい事件である。 ・発見時に水をかけたというが、意識のない状態での対処としては間違っていない処置だった。 ・発見時吐血していた理由は熱中症で体温が43度以上になると臓器不全になるため、胃腸の粘膜の保護ができなくなり、内壁が傷ついてしまったから。 ・管理能力が欠如していた祖母たちが二歳児を預かった理由は三男が妻に暴力を振るうため、二歳児が虐待されるリスクがあったから。
小野真由美容疑者は取り調べで「育児にストレスがあった」と述べているようですが、それなら第三者に相談するべきだったと思いますし、「命を預かるという自覚が足りていなかった」ように思えて悲しいニュースです。
窓を閉めていたり、飲み水がそばにあれば違った結末になっていたかもしれませんが、いずれにせよ何回も同じようなことをしていたようですから、いずれこのような最悪の結果になることは避けられなかったのかもしれません。今回は完全なる育児放棄。
死んでも良いというつもりで二日間も放置していたのでしょう。
そこに至るまでになんとかできたのではないかと思ってしまう痛ましい事件。
子供たちは自分たちの物差しでは測れないくらい脆弱であるということを認識しなければいけません。